彼女と花巻と宮沢賢治・そして盛岡へ

学生時代の友人と北上駅の東口で待ち合わせ。まあ、彼女とは色々あったのだが、それは昔の話。
その前に、駅中にある土産物屋でH松君に岩手の「なんとか吟醸」を宅急便で送る。
H松君、輸送費が高くついたぜ。



彼女は写真を撮っちゃダメというので、黒髪だけ。



彼女の愛車はハンドルシフトの四駆のトヨタのラウル。
もう、岡山じゃ見かけることもないというと14年ものだいくという。

でも8万キロしか乗っていないと自慢げにいった。
彼女はまだMDを使っているらしい。
ようワカラン。


僕がコーヒーが飲めてタバコが吸えるとこってリクエストなもんで、田んぼの中にあるガストへ。
2時間たっぷり話した結果分かったこと。
男は過去に生き、女は明日を生きるということ。
18歳から27歳までの、そう多分、彼女は1番綺麗で感受性強い間、僕たちは付いたり、離れたりしながら歳月を過ごしてきたのに、全部忘れてしまったと言い切った。


「昔のことはもういいじゃない」そうも言ったね。
あのね、お互い忘れるはずないじゃないか。


そうそう、大事なことを1つ聞ききたいんだ。これは僕自身がどうしても自信がなかったからね。

「ねえ、僕は君にちゃんとプロポーズしたんだろうか、どうして思い出せないんだ」
「してないよ」そっけない返事。
「もし、してたら?」
「丁寧にお断りしたでしょうねえ」とのこと。

ま、30年も経てば、そんなもんか。

傘だって2つ用意してくれてて、相合傘とはならなかった。



それから、僕らは「宮沢賢治博物館」へ行き、足早に館内を回った。
イーハトーブ」と洒落た名前をつけて、岩手に文化を根付かせかったんだろうね。
丁度、デジカメがないと気が付いて騒ぎ出した頃で、館の写真はない。
パンフレットを写してみた。



僕のカメラはバックにではなく、結局セーターのポケットにあった。
ああ、僕はいつもこんな調子だ。  


「山猫軒」というレストランで食事をし、息子に小さな土産を買う。


彼女に「花巻駅」まで送ってもらい、握手して別れた。





彼女が元気でよかった。
そして若い頃、あれだけ浮名を流した彼女が「忘れた」と言い切った強さも感じた。
僕はそんなに強くないぞ。




花巻駅から見た紅葉は既に終わりかけていた。



いざ、盛岡へ


MS明朝体盛岡駅という字を見て、僕がフォントにいつも悩まされ続けていることを思い出した。

R&Bというホテルに泊まる。



歯ブラシと髭剃りを持っていると言ったらくれなかった。
部屋は狭い、丸テーブルが1つあるだけだ。
まあ、文句も言えまい、学割が効く部屋だもんな。



明日は石川啄木を巡る散策をしようと思う。
でも、天気予報は、雨だってさ。