3問め  後出しジャンケンのようにインチキじゃん。

試験である。2問出ると聞いている。

ささっと問題文を読む。ああ、これなら勉強したところだと早速解答を書き始めめる。
1問につき、B4用紙1ページほど書き込んだ。
多少、自信のある解答である。
25分の時間を残して、答案用紙を提出した。満足はしていた。勉強したかいがあったというものだ。


颯爽と教室を出る。


階段横のテラスで、数人が集まって試験の答え合わせらしきものをやっている。


ヤナオが早速聞いてきた。
「aさん、3問め、どう書きました?」なんじゃ3問めとは?
ヤナオが問題用紙を取り出し、指差した。

有る、確かにたった2行であるが、3問めが出題されているのだ。そんなバカな、約束が違うじゃないか。
後出しジャンケンのようにインチキじゃん。

「読んでない、3問め。2問だと思い込んでいたからね、今、君から初めて聞いたぜ」バカヤロー。




たった、2行というのは、2問めの逆パターンの場合はどのようになるか問うたもので
条件その他は2問めを使っているから、問題文が短いのだ。
でも、答えはわかる。2問めを勉強したとき、次に逆パターンが必ず書いてあったからな。




悔しいので、何か良い言い訳を考えた。


先生は約束の2問ではなく、3問めを出題した。
これは完全にルール違反である。
ルール違反である3問めに解答することは、ルール違反を認めたことになり
僕の信条に反するので、涙を飲んで1文字も解答しなかった---------というのはどうであろう?


なかなか、反骨精神に富んでいて、もっともらしいではないか。
少なくても、うっかり3問めを見逃したというのより、カッコが付く。



ま、2/3は書いたのだ。期末試験で頑張ればなんとかなるであろう。