京都2日目
折角京都にこの時期に来たなら、梅を観なければいけない。
しかし、初日の僕の体たらくをみれば、北野天満宮に行くにも難儀をするだろう。
京都には観光バスが沢山走っている。
梅の名所巡りもあるだろうと早速申し込む。
観光バスもバスである。バス旅行という当初の約束はかろうじて守ったわけである。
当然、ホテルから京都駅までもバスで向かう。
日曜というのに、旅行客が多く、1本バスを乗り過ごす(満員で乗れなかったのだ)
観光バスのターミナルには既にバスが入ってどんどん乗り込んでいく。
さすがシニア世代は金持ちである。
最初の目的地は「城南宮のしだれ梅」である。
桜の花も良いが、梅の香と上品なたたずまいには、少し見習うべきものがある。そんな気がする。
残念ながら、梅は三分咲で、香りは楽しめなかった。
しかし、ふくらみ始めた蕾は可愛らしく「十五の春」という感じである。
高級ホテルのバイキングランチを食べ、さて「北野天満宮」である。
20代の頃、満開の北野天満宮で、梅の香りに酔ったことがある。
そんな遠い想い出深いお宮さんである。
そこそこ早咲きの梅が咲いており、近づけば、ほのかな香りもあるような。
昔は左近の橘、右近の梅だったそうだが
菅原道真が大宰府に流されて、いやに天変地異が起きたことに腹を立てた「藤原氏」が右近の桜にしてしまったのだそうだ。
ふむ、奇しくも今日はひな祭り、そういえば右近の桜であったなと思い出す。
さすがに、一人旅の観光バス客は僕一人とみえて、孤独感がいっそう身に染みる。
最期は、その名も「梅宮大社」
観光客も少なく、ひっそりとした宮であった。
なかなか、庭の手入れも行き届かないのであろう、割とこじんまりした良い庭なんだが、少し荒れていたのが残念である。
まあ、こういうのも風情というのかもしれない。
京都-岡山間のバスでは何故か僕は充実した時間を過ごした。
落語を2本聞いた。(談志である)
本を2冊読んだ。「ビブリア古書堂の事件簿4」と「謎解きはディナーの後」での2冊である。
街中で、独りにされると、すごく孤独感を感じるのに
バスの中では、独りがとても居心地が良い。
自分でもよくわからないなあ。