温泉までの長い旅①

旅の〆は温泉である。


田沢湖線田沢湖駅に。バスの時刻は調べていなかった。まあ、すぐにやってくるだろう。
この田沢湖線、並みの路線ではなかった。
田沢湖駅まで行く普通列車は朝5時台と14時台と17時台の3本しかない。
後は新幹線で行きなさいよというワケだ。僕は当然14時22分のローカル列車を予定していた。



ふと、思って切符を買う前に「みどりの窓口」に並んでみた。
「あの〜、新幹線の田沢湖駅普通列車田沢湖駅は同じなんですか」と尋ねた。
窓口のお姉さんは笑いながら「同じですよ」と答え、普通列車の切符まで準備してくれた。
何しろ「こまち」に乗ると¥1,200の特急券がいるからなあ。まして急ぐ旅ではないしな。(後で急げばよかったと悔やむことになる)


バスの案内には、田沢湖駅(こまち)下車、駅前バス停と書いてあったので、違っていたらまた新幹線に乗ることになる。
だって、花巻駅新花巻駅は随分離れているんだから。



代わりといってなんだが、田沢湖線普通列車は10分以上の列車待ちを繰り返した。
トンネルを幾つも幾つも通り抜け、次第に山間に入ってくる。
それに従って、少しずつ寒くなっていくようだ。


やっと田沢湖駅についた。
駅を出てすぐトイレに行った。まあ生理現象は仕方がない。
ゆったりした気分で前を見ると、バスが既に止まっているではないか。
傘を差し、大きな荷物をひこずって、バスに突進したが
ああ無情、バスは僕が傘を振り回す前を出発してしまった。


まあ、30分も待てば、とトロトロバス停まで行って驚いた。
正確に1時間おきにしかバスはこない。この律義さ。
僕は反対側の端に1台だけ止まっているタクシーに目をやった。う〜ん、どうするか?



バスで30分って言っていたなあ。とうことは5千円くらいか?
とりあえず、温泉宿に、チェックインの時間を伝える。
その時親父は確かにこう言ったのだ「乳頭温泉でバス停のすぐ傍だから」と。

温泉に入った感激はまた明日にしよう。露天風呂よまってろよ〜